遺伝学とMRDを統合して最適治療へ――フィラデルフィア染色体陰性成人ALLの新戦略

遺伝学的リスク層別化と measurable residual disease(MRD)を組み合わせることで、成人フィラデルフィア染色体陰性急性リンパ芽球性白血病における治療選択を精密化し、生存転帰の改善と同種造血幹細胞移植の適応判断に寄与する。

HLA適合ドナーからの移植におけるGVHD予防:ATG単独療法と移植後シクロホスファミドの比較に関する無作為化パイロット試験

ランダム化パイロット試験により、抗胸腺細胞グロブリン(ATG)単独と、移植後シクロホスファミド(PTCy)併用で、全生存率と安全性は同程度であることが示され、8/8 HLA一致ドナーによる造血細胞移植における移植片対宿主病(GvHD)予防として、第III相試験でのさらなる検証が支持された。

大細胞型B細胞リンパ腫におけるCAR T細胞療法後の奏効推移:LYSA DESCAR-Tレジストリからの知見

本レビューは、DESCAR-Tレジストリの実臨床データを統合し、大細胞型B細胞リンパ腫に対するCAR T細胞療法の奏効動態を概説する。早期奏効パターンの予後的影響と、部分寛解から完全寛解への移行に関与する因子を明らかにする。

再発・難治性AMLに対するサルベージ治療の進展:ベネトクラクス+高用量シタラビン+ミトキサントロンが示した有望な治療成績とリスク層別化の知見

多施設の実臨床研究により、ベネトクラクスと高用量シタラビンおよびミトキサントロンの併用が、再発・難治性AMLにおける寛解率と生存率を有意に改善し、検証済みの危険因子が予後予測に有用であることが示された。

転写因子NFE2:急性骨髄性白血病におけるレドックス恒常性と化学療法抵抗性を制御する重要因子

NFE2は、レドックス制御を介して白血病形質転換を駆動し、グルタチオン恒常性および解毒経路を調節することでAMLに化学療法抵抗性を付与する。NFE2を標的とすることで治療効果の向上と患者転帰の改善が期待される。

shmiRベクターによるBCL11A持続的遺伝子サイレンシング:鎌状赤血球症における長期安全性と有効性

本稿は、鎌状赤血球症患者に対してshmiRベクターを用いたBCL11Aの転写後サイレンシングが、持続的かつ安全に達成されたことを示したヒト初回投与試験を概説する。これにより、胎児ヘモグロビンの安定した誘導と、4年以上にわたる臨床的利益が得られた。

TKI治療CML生存者の健康障害:BMT生存者・非がん対照との比較からみる臨床レビュー

本レビューでは、長期TKI治療を受けたCML生存者の健康状態障害について、BMT生存者およびがん既往のない対照群との比較エビデンスを統合し、機能障害、活動制限、フレイル、QOLへの影響を概説する。あわせて、厳密なサバイバーシップケアの必要性を強調する。

高アビディティcathepsin-G特異的CAR T細胞の創製:急性骨髄性白血病に対する有望な治療戦略

本稿では、機能的特性を強化した高アビディティcathepsin-G特異的CAR T細胞の開発を概説し、造血毒性を伴うことなく急性骨髄性白血病を選択的に標的化できる可能性、ならびに前臨床での有効性、機序的知見、臨床応用の可能性を示している。

Histidine-rich glycoproteinによる血小板接着・凝集制御:機序の解明と臨床的意義

Histidine-rich glycoprotein(HRG)は、血小板受容体GPIbαおよびGPIIb/IIIaに結合し、VWFおよびフィブリノゲンと競合することで血小板接着・凝集を直接調節し、血栓形成を抑制する。敗血症およびCOVID-19ではHRG低下が血小板反応性亢進と関連する。

サラセミア関連糖尿病の思春期患者におけるデュラグルチドとインスリンの比較:高リスク集団の血糖管理と代謝改善をめざして

DIADEMA試験により、サラセミア関連糖尿病の思春期患者において、デュラグルチドはインスリンと比べて血糖変動、膵機能、鉄過剰の改善に優れ、安全性上の懸念も認められなかったことが示された。

国際的な実臨床データ連携でリンパ腫治療成績を変える:Global Lymphoma Registry Alliance のロードマップ

本総説は、Global Lymphoma Registry Alliance が提示するロードマップを概説し、多国間の実臨床データ連携を通じてリンパ腫の異質性に対応し、治療戦略を最適化し、データの標準化、多主体連携、革新的なレジストリ統合を基盤として、世界規模で患者転帰の改善を図る方策を検討する。

診断前の低正常免疫グロブリン値がCLLの早期クローン性B細胞異常と感受性を示す:大規模後ろ向きコホートからの知見

診断の10年前までに測定された低正常範囲の免疫グロブリン値、とくにIgAは、単クローン性B細胞リンパ増多症と体質的感受性の両機序を介して、慢性リンパ性白血病のリスクを予測しうる。