小児急性心肺不全における分子サブフェノタイピング:迅速免疫測定法の臨床的意義と今後の展望

迅速免疫測定ベースの分類器は、重症小児における高炎症性/低炎症性サブフェノタイプを高精度に同定し、予後予測・治療効果予測の有用性を保ったまま、小児急性心肺不全に対する精密治療の実装を可能にする。

米国における小児メンタルヘルス関連救急外来受診と小児受診数の動向(2016~2022年): 包括的レビュー

米国における小児メンタルヘルス関連ED受診は2016年から2022年にかけて急増し、受診数の多いEDでは患者背景と診断に受診規模依存の格差がみられた。多様な救急医療環境に合わせた個別化介入の必要性を示し、ケア向上の機会を浮き彫りにしている。

18病院ネットワーク導入で見えた、健康の社会的決定要因スクリーニングの実際と臨床的意義

本研究では、18病院における入院時の健康の社会的決定要因(SDOH)スクリーニングについて、データ品質、施設間変動、および臨床転帰を評価し、重要な格差を明らかにするとともに、実臨床におけるスクリーニングツールの臨床的妥当性を検証した。

閉経期ホルモン療法は中年女性の心血管リスクをどう変えるか:SWAN研究が示す血管運動症状との関連

閉経周辺期または閉経後早期に血管運動症状を有する女性で閉経期ホルモン療法を開始すると、心血管リスクの低下と関連し、とくにBlack女性および閉経発症後10年以内に治療を開始した女性でその傾向が強かった。

再発・難治性多発性骨髄腫におけるBCMA標的CAR-T療法前ブリッジング治療の最適化:リアルワールド多施設解析

BCMA標的CAR-T細胞輸注前のブリッジング療法は、再発・難治性多発性骨髄腫の病勢コントロールと転帰に影響する。本研究は399例を対象にレジメンの有効性と安全性を解析し、病勢負荷と生物学的リスクに関連した奏効のばらつきと安全性プロファイルの違いを示した。

AMLのベネトクラクス耐性を打破するPRMT9標的化――治療戦略を塗り替える可能性

PRMT9を介したアルギニンメチル化は、RNAスプライシングとタンパク質合成を変化させることでAMLにおけるベネトクラクス耐性を促進する。PRMT9を標的化するとベネトクラクス感受性が回復し、耐性AMLに対する有望なアプローチとなる。

イタリアの内分泌専門医に求められるトランスジェンダー医療の知識と対応力の強化

イタリア全国調査により、内分泌専門医のトランスジェンダー医療への備えに大きな不足があることが明らかになった。事前教育は知識と管理能力を大きく向上させており、性別肯定ホルモン療法へのアクセス最適化に向けた体系的研修の早急な整備が求められる。

甲状腺眼症で臨床指標が重要な理由:Innovate TED Initiative の取り組みを読み解

本稿では、甲状腺眼症(Thyroid Eye Disease, TED)において新規標的治療の評価精度を高めるために、より精緻な臨床指標がなぜ不可欠であるかを検討し、Innovate TED Initiative が包括的な転帰評価指標の開発と検証に取り組む意義を概説する。

高農薬曝露イベントと嗅覚機能障害:農業コホートからみた主観的・客観的エビデンスの統合

農業従事者における高農薬曝露イベント(HPEEs)は自己申告の嗅覚機能障害増加と関連する一方、客観的嗅覚検査では一貫した関連が示されていない。主観的評価と客観的評価の乖離は、農薬関連嗅覚障害の評価における方法論上の課題と、今後の統合的アプローチの必要性を示している。

一般集団への膵島自己抗体スクリーニング、早期1型糖尿病発見に向けた新国際コンセンサス

国際的専門家コンセンサスは、膵島自己抗体による一般集団スクリーニングについて、早期1型糖尿病の発見、DKAの減少、早期介入と疾患修飾療法へのアクセスを可能にするための実践原則と最低要件を提示した。

テプリズマブは新規発症の小児1型糖尿病でβ細胞機能を守る:PROTECT試験PP解析から得られた知見

PROTECT試験のper-protocol解析により、テプリズマブは新規診断の3期1型糖尿病を有する小児・思春期患者においてβ細胞機能を温存し、インスリン必要量を減少させ、血糖コントロールを改善することが確認された。効果はHLAサブタイプや自己抗体プロファイルに左右されなかった。

トランスサイレチン心アミロイドーシスの分子サブタイプ:プロテオミクス解析とタファミジス有効性から見えた新知見

血漿プロテオミクス解析により、トランスサイレチン心アミロイドーシスの3つの分子サブタイプが明らかとなり、それぞれ異なる予後とタファミジス治療反応を示すことが示された。個別化治療の可能性を示す重要な知見である。

長期片側難聴の成人における人工内耳埋め込み術を再考する:多施設研究からのエビデンス

多施設研究により、長期の片側難聴を有する成人でも人工内耳埋め込み術の恩恵を受け、語音聴取の有意な改善と継続的なデバイス使用が得られることが示された。これは、難聴期間のみを理由に適応外とする考え方に再考を促す結果である。