はじめに
数十年にわたり、集中治療室や救急科での重篤な患者の気管挿管に使用する誘導剤の選択は、集中治療医や救急医の間で激しい議論の対象となってきた。主な候補であるエトミデートとケタミンは、それぞれ独自の薬理学的特性を持ち、理論上の利点とリスクがある。エトミデートはその急速な作用と血行動態の安定性から長年好まれてきたが、一過性の副腎機能抑制の懸念がつきまとう。一方、ケタミンは交感神経刺激剤として血圧を支持する可能性があることから人気を得ているが、カテコールアミン枯渇状態の患者での直接的な心筋抑制効果が問題となっている。最近発表された『ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシン』のRSI試験は、これらの臨床的なトレードオフを明確にするために必要な高レベルの証拠を提供している。
