本後ろ向きコホート研究では、2011年から2023年にかけて四次医療を担う小児病院で治療を受け、2001年のNational Institutes of Health(NIH)基準による重症BPDに該当した乳児を解析した。コホートには、気管切開依存例と非依存例の双方が含まれた。気管切開依存群(n=25)は、妊娠週数および性別で1:2にマッチさせた50例の非気管切開依存BPD患者と比較し、背景の人口統計学的変数を調整した。
収集した臨床データには、挿管期間、関連する神経学的併存疾患、ならびに修正月齢12~24か月のBayley Scales of Infant Development(BSID)得点で評価した神経発達転帰が含まれた。挿管期間、気管切開の有無、神経発達得点の関連を評価するため、クラスター頑健標準誤差で補正した単変量および多変量線形回帰解析を実施した。
主な結果
本研究では、気管切開ありの乳児は、気管切開なしの乳児と比較して挿管期間が有意に長く(中央値114日 vs 66日)、この差は統計学的に有意であった(p=0.0047)。気管切開の有無および神経学的併存疾患を調整すると、重要な所見が示された。すなわち、挿管期間が50日を超えることは、Bayley認知得点の有意な低下(平均差 -8.49点、p=0.047)および運動得点の有意な低下(平均差 -11.03点、p=0.012)と独立して関連していた。
重要な点として、気管切開の有無そのものは神経発達転帰と独立して関連せず、調整後の認知得点(p=0.697)および運動得点(p=0.715)のいずれにも統計学的有意差は認められなかった。
これらの結果は、重症BPDの乳児において、有害な神経発達転帰の予測因子としては、気管切開の有無よりも気管内挿管の期間のほうが重要であることを示唆している。
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