ハイライト
- 治療開始1ヶ月後の血中循環腫瘍DNA(ctDNA)の変化は、免疫チェックポイント阻害薬(ICIs)治療を受けるdMMR/MSI-H転移性結腸直腸癌(mCRC)患者の無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)を予測可能である。
- ベースライン時のctDNA陽性またはその濃度自体は、患者の予後と相関しなかった。
- アベルマブ治療を受け、早期に良好なctDNA反応を示した患者は、化学療法を受けた患者と比較して生存期間が著しく改善した。
- 早期のctDNA反応とRECIST評価を組み合わせることで、長期生存を正確に予測し、個別化治療戦略の指針となる可能性がある。
研究の背景と疾患の負荷 転移性結腸直腸癌(mCRC)は、世界のがん罹患率および死亡率の主要な要因である。mCRC症例の約5%は、ミスマッチ修復機構欠損(dMMR)または高頻度マイクロサテライト不安定性(MSI-H)の状態であり、これにより高度な変異表現型が生じ、免疫チェックポイント阻害薬(ICIs)に対して顕著な感受性を示す。アベルマブなどのICIの導入により、dMMR/MSI-H mCRCの治療体系は変革を遂げ、良好な奏効と持続的な寛解が得られている。しかし、ICIへの一次耐性や最適な中止時期の決定という課題が臨床判断に影響を与えている。このサブグループの患者管理とリソース配分を最適化するためには、治療反応と長期的な結果を予測するための信頼性の高いバイオマーカーが急務とされている。
