序論と背景
貧血は慢性腎臓病(CKD)の一般的で臨床的意義の大きい合併症であり、倦怠感、QOL(Quality of Life)の低下、さらに心血管および腎予後の悪化に寄与する。KDIGOによる最初のCKDにおける貧血の臨床実践ガイドライン(2012年)以降、新たな臨床試験エビデンスと新規治療薬、とくに低酸素誘導因子プロリル水酸化酵素阻害薬(HIF-PHIs)の登場により、治療環境は大きく変化した。KDIGO 2026ガイドライン(Hedayati et al., Ann Intern Med. 2026)は、診断、鉄管理、赤血球造血刺激因子製剤(ESA)の使用、輸血戦略、およびHIF-PHIsの位置づけに関する推奨を更新している。
