注目ポイント
• 静脈内鎮静下で、tumescent麻酔および腹横筋膜面ブロック(Transversus Abdominis Plane block, TAP block)を併用した lipoabdominoplasty は、術中の疼痛と不安を効果的にコントロールした。
• 術前に患者が抱いていた疼痛およびコントロール喪失への懸念の大部分は、術後に有意に軽減された。
• 歩行、シャワー浴、軽い活動といった術後早期回復のマイルストーンは、期待より早く、または期待どおりに達成された。
• 鎮静を基盤とする麻酔は、lipoabdominoplasty における全身麻酔に代わる、安全で患者受容性の高い選択肢となり得る。
研究背景
lipoabdominoplasty は、腹部輪郭の改善を目的とした一般的な選択的美容外科手術である。侵襲の少ない鎮静オプションを可能にする麻酔技術の進歩にもかかわらず、依然として主として全身麻酔下で施行されている。患者の術前の恐怖、特に術中疼痛、悪心、麻酔下でのコントロール喪失に対する不安は、この選好に影響し得る。侵襲の少ない麻酔戦略が患者の期待を十分に満たし、早期回復を促進できるかを理解することは、周術期ケアの最適化と患者満足度の向上に重要な意義を有する。
研究デザイン
本研究は、2020年12月から2025年6月までに治療を受けた 39 例の連続外来 lipoabdominoplasty 患者を対象とした、単一施設前向きコホート研究であった。コホートの 87% は女性で、平均年齢は 37 歳、平均 BMI は 26.0 kg/m2 であった。全手術は、静脈内鎮静、tumescent局所麻酔、および腹横筋膜面ブロック(Transversus Abdominis Plane block, TAP block)の併用により実施された。人口統計学的および臨床データを収集した。不安、期待、および麻酔体験に関する患者報告アウトカムは、検証済み尺度である International Pain Outcomes(IPO)質問票および BODY-Q 質問票を用いて、術前および術後 72 時間以内に評価した。日常生活再開に関連する回復マイルストーンは前向きに追跡し、患者の術前期待と比較した。
主要所見
39 例の患者のうち、術前の期待として 56% が術中疼痛を、28% が悪心を、26% が麻酔下でのコントロール喪失を懸念していた。術後には、これらの麻酔関連の懸念は有意に軽減され、不安スコアは 5 点尺度で術前の中央値 3(四分位範囲 4–2)から 1(1–1)へ低下した。この大きな低下は、tumescent麻酔と TAP block を併用した鎮静により、手術に伴う患者の恐怖が効果的に軽減されることを示している。
早期回復アウトカムに関しては、患者は主要な活動を期待より早く、または期待と一致して再開した。屋内歩行および階段昇降は概ね術後 1 日目までに、独力での着替えおよびシャワー浴は 2 日目までに、短時間の屋外歩行および簡単な調理は 3 日目までに再開された。鎮静下でのこの迅速な回復経過は、術中コントロールを優先して回復遅延を伴うことが多い全身麻酔を支持する一般的な考え方とは対照的である。
安全性エンドポイントは本報告では詳細に示されていないが、患者報告アウトカムの改善および早期退院への適合性によって間接的に支持され、外来環境における本プロトコールの実現可能性が示唆された。
専門家コメント
本研究は、鎮静、tumescent局所麻酔、および TAP block を組み合わせた多角的麻酔が、lipoabdominoplasty における患者中心のアプローチとして有用であることを支持する価値あるエビデンスを提供している。その強みは、前向きデータ収集、検証済み患者報告アウトカム指標の使用、ならびに選択的美容外科において極めて重要な患者期待への着目にある。
麻酔関連の恐怖の軽減は、他の外科領域で報告されている区域ブロック手技の成績と一致する。TAP block は特に腹壁の感覚神経を標的とし、術中および術後の侵害受容入力を効果的に最小化するため、報告された疼痛の低減と機能回復の迅速化を説明し得る。
限界としては、単一施設デザイン、比較的小さい症例数、ならびに全身麻酔群の対照群を欠く点が挙げられる。結果は有望であるものの、一般化には慎重であるべきである。今後、鎮静ベースのプロトコールと全身麻酔を比較するランダム化試験により、相対的利益および潜在的リスクが明確になるであろう。さらに、本手技が美容目的であることを踏まえ、長期的な満足度および機能的転帰の検討も必要である。
結論
lipoabdominoplasty において、静脈内鎮静に tumescent麻酔および TAP block を併用する方法は、術中の快適性に関する術前期待を満たし、あるいは上回り、術後早期回復を促進し得る。本アプローチは、鎮静ベースの手技が術中の恐怖を十分に軽減し、日常活動への早期復帰を支援し得ることを示すことで、全身麻酔を優先する従来の傾向に一石を投じる。こうしたプロトコールの導入は、外来美容外科における患者満足度の向上と資源利用の最適化に寄与し得る。
資金提供および ClinicalTrials.gov
本研究では、特定の資金提供 स्रोतは報告されていない。原著引用中に臨床試験登録は確認されなかった。
参考文献
1. Stahl S, Prantl L, Krüger T, Feng YS, Santos Stahl A, Seabra Robalo Gomes Jorge AC. Enhanced Recovery After Lipoabdominoplasty Under Sedation, Transversus Abdominis Plane Block, and Tumescent Anesthesia: Patient Expectations and Experience in the Early Postoperative Phase. Aesthetic surgery journal. 2026 Aug 5. PMID: 42555013.
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