はじめに
進行性肺線維症(Progressive Pulmonary Fibrosis, PPF)は、肺組織の線維化が進行し、肺機能の低下を経て最終的に呼吸不全に至る病態である。患者転帰を改善するためには、疾患進行および治療反応を正確にモニタリングすることが不可欠である。努力肺活量(Forced Vital Capacity, FVC)は臨床試験で一般的に用いられる評価項目であるが、感度に限界があり、微細な構造変化を捉えられないことが知られている。この課題に対し、定量的コンピュータ断層撮影(Quantitative Computed Tomography, QCT)画像は、PPFにおける進行をより高感度かつ客観的に検出・予測する有用なツールとして注目されている。
INBUILD試験は、二重盲検無作為化プラセボ対照試験であり、さまざまな基礎疾患を有する間質性肺疾患(Interstitial Lung Disease, ILD)を背景としたPPF患者における抗線維化薬ニンテダニブの有効性を評価した。INBUILD試験内のサブスタディでは、QCT手法を用いて予後予測の精緻化と治療効果の評価を行うことに焦点が当てられた。
