Histidine-rich glycoproteinによる血小板接着・凝集制御:機序の解明と臨床的意義

Histidine-rich glycoprotein(HRG)は、血小板受容体GPIbαおよびGPIIb/IIIaに結合し、VWFおよびフィブリノゲンと競合することで血小板接着・凝集を直接調節し、血栓形成を抑制する。敗血症およびCOVID-19ではHRG低下が血小板反応性亢進と関連する。

サラセミア関連糖尿病の思春期患者におけるデュラグルチドとインスリンの比較:高リスク集団の血糖管理と代謝改善をめざして

DIADEMA試験により、サラセミア関連糖尿病の思春期患者において、デュラグルチドはインスリンと比べて血糖変動、膵機能、鉄過剰の改善に優れ、安全性上の懸念も認められなかったことが示された。

国際的な実臨床データ連携でリンパ腫治療成績を変える:Global Lymphoma Registry Alliance のロードマップ

本総説は、Global Lymphoma Registry Alliance が提示するロードマップを概説し、多国間の実臨床データ連携を通じてリンパ腫の異質性に対応し、治療戦略を最適化し、データの標準化、多主体連携、革新的なレジストリ統合を基盤として、世界規模で患者転帰の改善を図る方策を検討する。

診断前の低正常免疫グロブリン値がCLLの早期クローン性B細胞異常と感受性を示す:大規模後ろ向きコホートからの知見

診断の10年前までに測定された低正常範囲の免疫グロブリン値、とくにIgAは、単クローン性B細胞リンパ増多症と体質的感受性の両機序を介して、慢性リンパ性白血病のリスクを予測しうる。

再発・難治性大細胞型B細胞リンパ腫におけるIPIリスク因子がCAR T細胞療法と同種移植の予後に与える影響

本研究は、再発・難治性大細胞型B細胞リンパ腫(LBCL)におけるIPIリスク因子に基づき、CAR T細胞療法と同種造血幹細胞移植の転帰を比較した。低リスク患者ではCAR T細胞療法で良好な生存が示された一方、高リスク症例ではalloSCTの重要性が示唆された。

化学療法を使わない初回治療戦略:indolent B-cell 非ホジキンリンパ腫における mosunetuzumab と response-adapted polatuzumab vedotin+obinutuzumab

化学療法を用いない新規レジメンとして、mosunetuzumab に response-adapted の polatuzumab vedotin と obinutuzumab を組み合わせることで、未治療の indolent B-cell NHL において高い完全奏効率と持続的な無増悪生存が示され、安全性も良好であった。

形質細胞腫に対するレナリドミドと経口アザシチジン併用放射線治療:パイロット試験と今後の展望

本総説では、形質細胞腫に対するレナリドミドおよび経口アザシチジンと放射線治療の併用に関するエビデンスを整理し、新規診断例および再発例における安全性、予備的有効性、ならびにトランスレーショナルな理論的背景を概説する。

l-カルニチンが切り開くヒト造血幹・前駆細胞再生の代謝制御:機序的洞察と治療応用

本総説は、脂肪酸酸化を介してヒト造血幹・前駆細胞の再生におけるl-カルニチンの中心的役割を示すエビデンスを統合し、代謝プロファイリングの進展と再生医療へのトランスレーショナルな可能性を概説する。

小児半合致HSCTにおける移植後シクロホスファミド後の早期炎症性合併症:臨床的影響と危険因子

この多施設研究では、小児の半合致造血幹細胞移植(haplo-HCT)後早期炎症性合併症の主要な危険因子として末梢血幹細胞の使用が示され、これらのイベントが難治性の急性・慢性移植片対宿主病と関連することが明らかになった。

びまん性大細胞型B細胞リンパ腫の腫瘍免疫微小環境を読み解く:CD163・CD11cプロファイリングからみた予後予測

本研究は、CD163およびCD11cの発現に基づいてびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の腫瘍免疫微小環境を異なる亜群に分類し、予後との関連と、チェックポイント阻害薬を用いた治療層別化の可能性を示した。

初回寛解期AMLに対する半合致移植における全身放射線照射と化学療法前処置の比較:EBMTレジストリからの知見

本研究は、初回寛解期の成人AML患者に対する半合致造血細胞移植において、全身放射線照射(TBI)と化学療法前処置の生存率・再発転帰を比較し、TBIによる明確な生存上の優位性は認められなかったことを示した。