背景
感染性心内膜炎(Infective Endocarditis, IE)は、心内膜または心臓弁に生じる重篤な感染症である。弁を障害して心不全を来し、感染性血栓が脳、肺、腎臓、その他の臓器へ塞栓することがある。多くの症例では血液培養により起因菌が同定されるが、相当数の患者では培養陰性心内膜炎(culture-negative infective endocarditis, CNIE)を呈し、通常の培養検査では原因微生物が検出されない。
CNIEは長らく診断・治療上の課題であった。培養が陰性となる理由としては、採血前に抗菌薬が投与されている、起因菌の増殖が遅い、培養困難である、あるいは特殊な検査を要する病原体である、などが挙げられる。現代の診療では、弁組織培養、polymerase chain reaction(PCR)、computed tomography併用positron emission tomography(PET-CT)などの追加手段が、原因微生物の同定と診断確定に有用である。
