はじめに
重症疾患はヒトの生理機能に深刻な負荷を与え、しばしば集中治療室(Intensive Care Unit, ICU)で行われる高度で複雑な介入を必要とする。集中治療医学における新たなフロンティアとして注目されているのが、ヒトのマイクロバイオーム(microbiome)—すなわち、各身体部位、とりわけ消化管に生息する微生物群集の総体である。本総説では、マイクロバイオームが重症患者および外傷患者に及ぼす影響、微生物叢の破綻を引き起こす機序、ならびにこれらの影響を軽減して転帰を最適化するための臨床戦略について、現在の知見を整理する。
