日本女性における自己採取尿と膣分泌物サンプルを用いた子宮頸がんスクリーニングのHPV型別検査の評価

日本女性における自己採取尿と膣分泌物サンプルを用いた子宮頸がんスクリーニングのHPV型別検査の評価

研究背景

侵襲性子宮頸がんは、定期的な子宮頸がんスクリーニングプログラムに参加しない女性にとって、依然として重要な健康負担となっています。高リスクヒトパピローマウイルス(HPV)型の持続感染が子宮頸がん発症の主要な病因因子です。多くの国では、従来の細胞診に基づくスクリーニングに加えて、臨床医採取子宮頸部サンプルを用いたHPV検査が金標準ですが、不快感、アクセス問題、社会文化的要因などの障壁により、参加率が低下しています。より侵襲性の低い自己採取戦略は、スクリーニング受診率を向上させ、子宮頸がんの発症率と死亡率を減少させる可能性があります。本研究では、異常細胞診結果のある日本人集団を対象に、検証済みの型別アッセイを用いて自己採取尿および膣分泌物サンプルを用いたHPV感染検出の有用性を評価することで、この重要な公衆衛生ニーズに対処しています。

研究デザイン

本調査は、2つの連続したステップで実施されました。第1フェーズでは、BD Onclarity® HPVアッセイを使用して、尿サンプルの保管条件(保管容器、温度、試験前の保管時間)を最適化することを目指しました。これらのパラメータは、尿中のHPV DNAの完全性に影響を与え、検査の感度に影響します。第2フェーズでは、自己採取尿および膣分泌物サンプルでのHPV検出結果を、参考基準となる臨床医採取子宮頸部サンプルと比較しました。研究対象者は、異常細胞診結果を呈する121人の女性で構成され、HPV関連病変に富んだコホートを反映しています。全参加者は3種類のサンプル(臨床医採取子宮頸部、自己採取膣分泌物、自己採取尿)を提供しました。HPV型別検査は、初期研究フェーズで決定された最適条件に基づいて迅速に実施されました。

主な知見

研究では、室温で72時間以内にBD Probe Tec™ (QxUPT) ビアルに保存された尿サンプルが最も高いHPV陽性率を示すことが示されました。これらの条件下で、子宮頸部サンプルにおける高リスクHPV型の有病率は有意であり、HPV16は41.7%、HPV18は10%、HPV31とHPV52はそれぞれ12.6%で検出されました。一致分析では、臨床医採取子宮頸部と尿サンプルの間で中等度の一致が観察され、一致率は63.9%(カッパ値:0.34;95%信頼区間:0.21-0.47)で、やや一致性があることを示しました。これとは対照的に、子宮頸部と自己採取膣分泌物サンプルの間では、77.8%(カッパ値:0.68;95%信頼区間:0.53-0.83)の強い一致が観察され、良好な一致性を示しました。

感度分析では、BD Onclarity® HPVアッセイが、約70%のHPV関連病変または腫瘍の有病率を持つ集団で、子宮頸部サンプル(参考基準)の82.7%、膣分泌物サンプルの75.7%、尿サンプルの46.4%でHPVを検出したことが示されました。これらのデータは、自己採取膣分泌物サンプルが臨床医採取子宮頸部サンプルに近い高い感度を提供することを示唆していますが、スポット尿サンプルは著しく低い感度を示しました。この差異は、サンプルタイプと採取プロトコルの潜在的な制限を強調しており、特に尿を基にしたHPV検出において改善が必要であることを示しています。

専門家コメント

本研究は、自己採取戦略が日本の子宮頸がんスクリーニングの実現可能性を支持する重要な証拠を提供し、患者中心の最小侵襲診断を提唱する世界的な傾向と一致しています。BD Onclarity® HPVアッセイの膣分泌物自己採取サンプルでの良好な性能は、既存のスクリーニング方法を補完する有効な手段となり得ることを示唆しており、未スクリーニング人口のカバー率向上に寄与する可能性があります。尿サンプルの低感度は、中等度の一致にもかかわらず、初回排尿サンプルの採取、保存液の改良、ウイルスDNA濃縮のための長時間インキュベーションなどの手法改善の必要性を示しています。重要的是,研究对象为异常细胞学结果和高病变患病率的女性,这限制了其在更广泛筛查环境中的普遍适用性,尤其是在HPV患病率通常较低的情况下。

局限性

主要局限在于,与宫颈和阴道样本相比,斑点尿样本中HPV检测的敏感性较低,表明需要改进以实现临床应用的方法学约束。单中心设计集中在异常细胞学结果的女性,可能会使HPV患病率向上偏倚,从而高估测试性能指标。该研究未评估长期结果,如阴性预测值或对子宫颈癌发病率的影响,这些是建立筛查有效性的关键。此外,该研究未评估患者接受度或自我采集方法的成本效益,这些因素对于公共卫生采用至关重要。

结论

本研究表明,使用BD Onclarity® HPV检测的阴道自我采集样本与临床医生采集的宫颈样本相比,表现出良好的一致性及高敏感性,显示出扩大子宫颈癌筛查可及性的前景。自我采集的尿样表现出中等一致性但显著较低的敏感性,强调了优化采集和处理协议的必要性。确定尿样的理想储存条件提高了测试的可靠性,推进了基于尿样的HPV筛查的前景。

这些发现倡导进行更大规模的人群基础前瞻性研究,以验证和完善自我采集方法,特别是尿样测试,并评估其在提高筛查覆盖率和早期检测宫颈上皮内瘤变方面的实际效果。将自我采集采样纳入国家筛查计划可能是克服筛查障碍并减少日本乃至全球子宫颈癌负担的重要策略。

资金来源和临床试验注册

原始出版物未指定资金来源或临床试验注册详情。向作者或相关机构进一步查询可能提供这些信息。

参考文献

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