オシメルチニブ投与後のEGFR変異非小細胞肺がんにおけるアファチニブと化学療法の併用の有効性:NEJ025B研究からの洞察

オシメルチニブ投与後のEGFR変異非小細胞肺がんにおけるアファチニブと化学療法の併用の有効性:NEJ025B研究からの洞察

序論

EGFR変異を有する非小細胞肺がん(NSCLC)は、オシメルチニブなどの標的療法の開発により著しい治療進歩を遂げています。オシメルチニブは第3世代のEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)ですが、初期の高い奏効率と無増悪生存期間の延長にもかかわらず、病気の進行は避けられません。これにより、効果的な後続治療戦略の必要性が強調されています。NEJ025B研究では、オシメルチニブに抵抗性のあるEGFR変異NSCLC患者におけるアファチニブ(不可逆的なErbBファミリーブロッカー)とプラチナ製剤をベースとした化学療法の併用の有効性と安全性を調査しています。

試験設計と方法論

このオープンラベル、単群第II相試験では、確認されたEGFR変異(エクソン19欠失またはL858R)を持つ36人の患者を登録しました。これらの患者は、一次オシメルチニブ治療後に病気の進行を示していました。適格な参加者は、毎日20 mgのアファチニブと、カルボプラチン(AUC 5 mg/mL/min)、ペメトレキセド(500 mg/m²)を3週間に1回投与を受けました。初期の併用療法後、患者はアファチニブとペメトレキセドの維持療法を続け、病気の進行または容認できない毒性が生じるまで投与されました。
主要評価項目は6ヶ月無増悪生存率(6M-PFSR)でした。副次評価項目には、客観的奏効率(ORR)、病勢制御率(DCR)、中央値無増悪生存期間(PFS)、奏効持続時間(DOR)、全生存期間(OS)、安全性プロファイルが含まれました。

結果と有効性

36人の登録患者のうち1人がプロトコル違反により除外され、有効性分析は35人の患者で行われました。主要評価項目である6M-PFSRは、患者の57.1%(95% CI: 39.3-71.5%)で達成され、事前に定められた閾値35%を超えており、この抵抗性設定での治療法の有望な活性を示しています。
長期的なPFSの利点が観察され、28.6%の患者が1年以上の病勢制御を経験しました。副次評価項目では顕著な活性が示され、ORRは51.4%、DCRは88.6%、中央値PFSは8.2ヶ月、中央値DORは5.6ヶ月、中央値OSは22.5ヶ月でした。
これらの知見は、オシメルチニブ失敗後に選択肢が限られている患者に対する二次またはそれ以降の治療法として、併用療法が効果的である可能性があることを示唆しています。

安全性プロファイルと副作用

最も一般的な副作用は下痢(52.8%)と食欲不振(47.2%)であり、標準的なケアで管理可能でした。間質性肺炎は8.3%の患者で観察され、2人の患者が合併症により死亡しました(1人は間質性肺炎、もう1人は敗血症)。全体的に、副作用は関与する薬剤の既知のプロファイルと一致しており、慎重な管理により安全性が管理可能であることが強調されました。

討論と臨床的意義

NEJ025B試験は、オシメルチニブに獲得抵抗性のある患者集団におけるアファチニブとプラチナ製剤をベースとした化学療法の併用の有効性を支持する証拠を提供しています。第3世代TKI失敗後の選択肢が限られている状況下で、観察されたPFSとOSの利点は希望的です。重要なのは、安全性プロファイルが管理可能であったことですが、間質性肺炎などの重篤な副作用は注意深い監視の重要性を強調しています。
制限点としては、試験の単群設計と比較的小規模なサンプルサイズがあります。これらの知見を検証し、このアプローチを新興治療戦略と比較するために、さらなる無作為化比較試験が必要です。

結論

アファチニブとペメトレキセドおよびカルボプラチンの併用は、オシメルチニブに抵抗性のあるEGFR変異NSCLCにおいて有望な有効性と耐容性を示しています。この治療法は、さらなる確認試験を待つ間、オシメルチニブ後設定における未充足の需要を満たす貴重な治療選択肢となる可能性があります。

資金源と試験登録

本研究は、試験番号jRCTs021200005で登録されており、その透明性と臨床研究基準への遵守が強調されています。

参考文献

Nagashima H, Fukuhara T, Utsumi Y, et al. A phase II study of afatinib in combination with pemetrexed and carboplatin in patients with EGFR mutation-positive non-squamous, advanced non-small cell lung cancer (NSCLC) refractory to first-line osimertinib treatment: NEJ025B study. Eur J Cancer. 2025 Oct 16;229:115693. doi: 10.1016/j.ejca.2025.115693. Epub 2025 Aug 20. PMID: 40957291.

Comments

No comments yet. Why don’t you start the discussion?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です