ケトジェニック・ダイエット、時間制限摂食、隔日断食が肥満成人の体重減少に及ぼす影響:無作為化比較試験

ケトジェニック・ダイエット、時間制限摂食、隔日断食が肥満成人の体重減少に及ぼす影響:無作為化比較試験

背景

肥満は依然として重要な世界的健康課題であり、有効な減量戦略の研究が続けられています。地中海式食事(地中海食)は心血管疾患や代謝機能に対する利点が確立されていますが、炭水化物の含有量や摂食パターンが異なる新興代替食事法との比較データは限定的です。本研究では、炭水化物含有量が異なる3つの食事介入法—極低炭水化物ケトジェニック・ダイエット(KD)、時間制限摂食(TRE)、変形隔日断食(mADF)—とカロリー制限付き地中海食との比較で、肥満成人における体重減少効果を評価することを目的としました。

方法

本試験は、肥満と診断された160人の成人を対象とした3ヶ月間の並行アーム無作為化比較試験でした。参加者は以下の5つのグループに無作為に割り付けられました:カロリー制限付き地中海食(地中海食)を摂る対照群、ケトジェニック・ダイエット(KD)、早期時間制限摂食(eTRE)、遅延時間制限摂食(lTRE)、変形隔日断食(mADF)。各食事法は、比較可能性を確保するために慎重にカロリー制限されました。主要評価項目は、地中海食グループと他の4つの食事介入法との間で、基準値から3ヶ月間の体重減少の差でした。二次評価項目には、BMI、体組成パラメータ(脂肪量と筋肉量)、血中脂質や糖代謝などの心臓代謝リスクマーカーの変化が含まれました。

結果

参加者の平均年齢は45.7歳(標準偏差10.7)、女性は70.6%でした。160人の参加者中140人が研究プロトコルを完了しました。ケトジェニック・ダイエット、mADF、lTREグループと地中海食対照群を比較した際、有意な体重減少の違いが観察されました。具体的には、ケトジェニック・ダイエット群は対照群よりも平均3.78 kg多く体重を落としました(95%信頼区間[CI]:-5.65から-1.91 kg)、mADF群は3.14 kg多く(95% CI:-4.98から-1.30 kg)、遅延TRE群は2.27 kg多く(95% CI:-4.13から-0.40 kg)体重を落としました。早期TRE群は非有意差を示し、対照群よりも1.22 kg多く体重を落としました(95% CI:-3.07から0.64 kg)。二次評価項目でも、これらの3つの介入法がBMI、体脂肪率、一部の心臓代謝リスク因子に改善をもたらしました。

議論

本研究は、カロリー制限付きケトジェニック・ダイエット、変形隔日断食、遅延時間制限摂食が、カロリー制限付き地中海食よりも肥満成人の短期的な体重減少に効果的であることを示しています。ケトジェニック・ダイエットの低炭水化物摂取は脂肪酸化とケトン生成を促進し、より大きな体重減少に寄与する可能性があります。変形隔日断食は間欠的なカロリー制限を誘導し、代謝柔軟性と脂肪減少を向上させる可能性があります。遅延時間制限摂食は、1日の特定の時間帯に食事を集中させることで、体内時計の調節と代謝機能の改善に関連する有意な利点を示しました。

早期時間制限摂食は、地中海食と比較して有意な体重減少の利点を示さなかったため、摂食時間帯のタイミングが結果に影響を与える可能性があることが示唆されますが、さらなる研究が必要です。

臨床的意義と今後の方向性

これらの知見は、従来の地中海食以外の代替食事法が、カロリー摂取量が制御されている場合、肥満管理に有用であることを支持しています。しかし、ケトジェニック・ダイエット、隔日断食、時間制限摂食の持続性、遵守性、長期的な安全性を地中海食と比較するためには、長期的な研究が必要です。さらに、患者の好み、ライフスタイルへの適合性、潜在的な代謝効果を考慮に入れて、個別化された食事推奨を行うべきです。

医療提供者は、肥満患者のカウンセリング時にこれらのエビデンスに基づくオプションを検討すべきであり、可能な副作用や栄養適正を監視する必要があります。

試験登録

本試験は、ClinicalTrials.govで識別子NCT04453150で登録されています。

参考文献

Martínez-Montoro JI, Bandera B, Gutiérrez-Bedmar M, Gómez-Pérez AM, Macías-González M, Moreno-Indias I, Tinahones FJ. Effect of a ketogenic diet, time-restricted eating, or alternate-day fasting on weight loss in adults with obesity: a randomized clinical trial. BMC Med. 2025 Jul 1;23(1):368. doi: 10.1186/s12916-025-04182-z. PMID: 40598397; PMCID: PMC12220164.

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