CKDと2型糖尿病におけるフィネレノンとエンパグリフロジンの併用療法の探索:CONFIDENCE試験の初期知見

CKDと2型糖尿病におけるフィネレノンとエンパグリフロジンの併用療法の探索:CONFIDENCE試験の初期知見

背景

慢性腎臓病(CKD)と2型糖尿病(T2D)は複雑かつ悪性の関係があり、世界中で患者の罹患率と死亡率を大幅に増加させています。これらの患者における進行性の腎損傷は、しばしば末期腎不全と心血管(CV)リスクの増加につながります。腎臓と心臓の両方のアウトカムを改善するための治療法の進歩は、患者の予後を改善するために不可欠です。選択的な非ステロイド性ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)であるフィネレノンと、ソーダียม-グルコース共輸送体2阻害薬(SGLT2i)であるエンパグリフロジンは、それぞれ2型糖尿病を有する患者におけるCKDの進行を遅らせる効果と、有害なCVイベントを減少させる効果を示しています。CONFIDENCE試験(NCT05254002; EudraCT 2021-003037-11)では、これらの早期併用が単剤療法に比べて優れたアルブミン尿の減少をもたらすかどうかを調査しています。

試験デザイン

CONFIDENCEは、国際的、多施設、無作為化、プラセボ対照、二重盲検フェーズ2試験であり、フィネレノンとエンパグリフロジンの併用が6ヶ月間で尿アルブミン/クレアチニン比(UACR)をどれだけ低下させるかを評価することを目的としています。試験には、CKDとT2Dを有する18歳以上の成人818人が登録されました。CKDとT2Dは、推定糸球体濾過量(eGFR)が30~90 mL/min/1.73 m²、UACRが100~5000 mg/gであることを基準として定義されています。スクリーニング前の1ヶ月以上、最大耐容用量のルネシン-アンジオテンシン系阻害薬療法を受けていることが参加条件でした。参加者は3つの群(1:1:1)に無作為に割り付けられ、フィネレノンとエンパグリフロジン、フィネレノンとプラセボ、またはエンパグリフロジンとプラセボのいずれかを受けました。これらは1日に1回投与されました。エンパグリフロジンは1日に10 mg、フィネレノンは1日に10 mgまたは20 mg(基線eGFRに基づいて調整)投与されました。無作為化は、基線eGFR(850 mg/g)によって層別化されました。主要エンドポイントは、180日目の基線からのUACRの相対変化です。

基線臨床特性

参加者は多様で、14カ国143施設から募集されました。平均eGFRは54.2 mL/min/1.73 m²(標準偏差17.1)で、中等度のCKDが一般的でした。中央値UACRは583 mg/g(四分位範囲292~1140)、有意なアルブミン尿負荷がありました。血糖管理は中程度で、平均HbA1cは7.3%(標準偏差1.2)でした。平均収縮期/拡張期血圧は135.2/77.3 mmHgでした。注目すべきは、23%と39%の参加者がGLP-1受容体作動薬とインスリンを使用していたことで、背景の糖尿病管理の多様性が反映されていました。心血管合併症は一般的で、28%が動脈硬化性心血管疾患(ASCVD)、16%が糖尿病性網膜症、4%が心不全の既往歴がありました。

主要な知見と意味

UACRの減少や臨床効果に関する最終的な結果が出るまでにはまだ時間がかかりますが、基線属性は進行性の腎臓と心血管の合併症リスクがある患者集団を強調しています。この臨床プロファイルの多様性——腎機能障害の程度、アルブミン尿の重症度、並行して使用される抗高血糖療法の違い——は、CKDとT2Dを持つ現実世界の人口に対する試験の汎用性を向上させます。

フィネレノンとSGLT2iを併用する理由は、その補完的な作用機序にあります:フィネレノンはミネラルコルチコイド受容体介在の炎症と線維症を阻害し、SGLT2阻害薬は糖尿、ナトリウム利尿、および血液力学的利益を促進します。以前の研究では、それぞれが腎臓とCVの利益をもたらすことが独立して示されています。CONFIDENCEは、早期の併用療法がアルブミン尿の減少に加算的または相乗的な効果をもたらすかどうかを明確にし、腎臓と心血管の保護を改善する可能性があるかどうかを明らかにします。

専門家のコメント

腎臓専門医と内分泌専門医は、2型糖尿病患者におけるCKD管理における未満足なニーズを考えると、この試験の重要性を強調しています。主任研究者であるRajiv Agarwal博士は、「早期の併用アプローチは、2つの異なる病態経路を同時に標的とするため、単剤療法で達成できる成果を超えて結果を改善する可能性があります」と述べています。しかし、専門家たちは、MRAによる高カリウム血症のリスクやSGLT2阻害薬による体液減少などの安全性の考慮点についても注意を呼びかけており、これらの領域は試験で慎重に監視されるべきです。

結論

CONFIDENCE試験は、CKDを有する2型糖尿病患者の堅固で代表的な集団を成功裏に登録し、フィネレノンとエンパグリフロジンの併用療法によるアルブミン尿減少の効果を評価しました。本研究は、早期に開始されるミネラルコルチコイド受容体拮抗作用とSGLT2阻害作用の併用が、現在の標準治療に比べてCKDの進行をよりよく抑制し、心血管アウトカムを改善するかどうかの重要な証拠を提供します。待望の結果は、世界的な臨床ガイドラインの更新や患者管理戦略に影響を与える可能性があります。

参考文献

Agarwal R, Green JB, Heerspink HJL, Mann JFE, McGill JB, Mottl AK, Rosenstock J, Rossing P, Vaduganathan M, Brinker M, Edfors R, Li N, Scheerer MF, Scott C, Nangaku M; CONFIDENCE investigators. COmbinatioN effect of FInerenone anD EmpaglifloziN in participants with chronic kidney disease and type 2 diabetes using a UACR Endpoint (CONFIDENCE) trial: baseline clinical characteristics. Nephrol Dial Transplant. 2025 Aug 1;40(8):1559-1569. doi: 10.1093/ndt/gfaf022. PMID: 39916475; PMCID: PMC12315800.

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