4:3断食と日常的なカロリーリストリクションの摂食行動および食欲ホルモンへの12ヶ月間の比較影響

4:3断食と日常的なカロリーリストリクションの摂食行動および食欲ホルモンへの12ヶ月間の比較影響

はじめに

肥満は引き続き世界的な健康課題であり、効果的な長期的な体重減少戦略が必要です。日常的なカロリーリストリクション(DCR)は広く推奨されていますが、代謝適応や過食や制御不能な摂食といった不適切な摂食行動により、順守が困難な場合があります。断続的な断食(IMF)は定期的なエネルギー制限を特徴としており、より持続可能なダイエット法として注目を集めています。特に、週3回の非連続的な断食日で大幅なエネルギー制限を行う4:3断食は、DCRよりもより高い飲食の柔軟性と順守性を提供する可能性があります。しかし、4:3断食とDCRの体重減少効果の背後にある行動的・生理学的なメカニズムは、特に長期的には十分に理解されていません。

研究デザイン

この二次解析は、コロラド大学アンシュッツメディカルキャンパスで実施された12ヶ月間の無作為化臨床試験から派生しています。18〜60歳の肥満または過体重の成人165人が登録され、4:3断続的な断食規程または日常的なカロリーリストリクションに無作為に割り付けられました。両グループとも、週間エネルギー欠乏量が約34.3%となるように設定され、構造化されたグループベースの行動カウンセリングを受け、週に300分の中程度の有酸素運動を増やすよう助言されました。

摂食行動は、ベースライン、3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月で評価され、Three-Factor Eating Questionnaire-Revised 18 (TFEQ-R18)、Binge Eating Scale (BES)、Reward-Based Eating Drive Scale (RED-13)を使用して、制御不能な摂食、感情的な摂食、認知的制約を評価しました。食欲調節ホルモン(レプチン、グレリン、ペプチドYY (PYY)、脳由来神経栄養因子 (BDNF)、アディポネクチン)の断食レベルは、ベースライン、6ヶ月、12ヶ月で測定されました。

主要な結果

12ヶ月後、4:3断食グループでは、DCRグループと比較して過食行動と制御不能な摂食スコアが有意に低下しました(群間時間相互作用のp < 0.01)。感情的な摂食と報酬に基づく摂食は両グループで時間とともに減少しましたが、4:3断食グループはより大きな改善を維持しました。認知的制約は両グループで増加しましたが、DCRグループは3ヶ月目に早期に顕著に上昇しました。

4:3断食グループ内の相関分析では、体重減少は制御不能な摂食(r = -0.27, p = 0.03)と感情的な摂食(r = -0.37, p < 0.01)の減少、および認知的制約(r = 0.35, p < 0.01)の増加と関連していました。一方、DCRグループでは、体重減少は認知的制約の増加のみと関連していました。

食欲ホルモンについては、12ヶ月間のレプチン、グレリン、PYY、BDNF、アディポネクチンの変化について両グループ間に有意な差は見られませんでした。両グループとも、予想される代謝適応により、レプチンが減少し、グレリンが増加しました。アディポネクチン/レプチン比は両グループで控えめに改善し、脂肪組織機能の改善を示唆していました。

専門家のコメント

これらの結果は、4:3断食が日常的なカロリーリストリクションよりも優れた行動適応、つまり過食と制御不能な摂食の減少を促進し、より長い期間での体重減少を容易にする可能性があることを強力に証明しています。柔軟な断食スケジュールと自己選択の断食日は、心理的ストレスと感じられる不足を軽減し、日常的なカロリー計算によってしばしば悪化する不適切な摂食行動を緩和する可能性があります。行動的改善とホルモンプロファイルの乖離は、4:3断食で見られる順守性と成果の向上を仲介する上で、心理・行動的要因がより重要な役割を果たしていることを示唆しています。ただし、制限点として、摂食後のホルモン測定が欠如しており、動態的な食欲調節をよりよく特徴付けることができます。また、中年女性、ヒスパニック以外の白人参加者が多いため、より広範な一般化可能性が制限されます。

結論

結論として、4:3断食規程は12ヶ月間で日常的なカロリーリストリクションと比較して不適切な摂食行動に有利な変化を示し、体重減少がより大きいことが示されました。これらの行動的改善は、断食時の食欲関連ホルモンの変化ではなく、4:3断食の優れた効果をもたらしている可能性があります。今後の研究では、食欲ホルモンの動態と神経認知報酬経路のより詳細な評価を組み込むことで、メカニズムを解明することが望まれます。医療従事者は、過食や制御不能な摂食に関する懸念がある場合に、4:3断食を柔軟で行動的にサポートする持続可能な肥満管理戦略として検討すべきです。

参考文献

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